盤外戦術編【対面人狼界隈での生き残り方】

今回は盤外戦術編。

今回は自分の友人である、れっかという人狼にフォーカスを当てた記事である。

この記事では、プライベートにおける進行論を語っていく。

対面人狼界隈で生き残るにあたってある意味盤内の進行論より重要な内容なので、誰もが参考になる部分も多いはずだ。

 

 

関西対面人狼界隈にれっかというプレイヤーがいる。彼は非常に顔が厳つく、体格はゴリラとトドゼルガを足して割ったような感じであり、声は納豆のようにねちょねちょ粘りが強く、口調が荒く、服は真っ黒だ。性格も少し話した感じだと輩そのものであり、後輩に「お前こ〇すで」とか言ったり、舐めた口をきいてくる相手には「れっか"さん"な????」とか平気で言えてしまうタイプである

つまり、この界隈ではタイプ、人種としては比較的俺に近い。

 

自分が彼と出会ったのは本格的に対面人狼界隈に足を踏み入れる前のことで、最初会った時のお互いの印象を聞いたら、あまりにも服装や容貌が似ており「もうひとりの俺♪」とか言って笑っていたものだ。

その後彼と関わってみて、その周囲からの愛され方に驚いた。

「なぜこんな男が、気が強く癖も強い人間がひしめく関西でカリスマを名乗れるのか」

疑問は絶えなかった。

 

それからというもの、自分は彼と仲良くしているフリをして彼を観察し、非常に多くのことを彼から学んだ。

 

まず、人狼界隈で生き残るためには、見た目や声、話し方が怖い人間は「強い」だけではだめで、強いだけだと「開眼の疑い」だったり「強弁、怖い」だったりのイメージが先行した噂が広まりマイナスイメージ側に針は振れる。

自分は元々ネット人狼界隈にいたので人狼民という人種の性質は元から知っていたが、割と妬みや嫉妬の感情を強く持つ者も多く、基本的に人の悪口が大好きである。つまり、出る杭は打たれる傾向が強い。有名であるだけマイナスイメージのほうが一気に広まるものだ。

れっかという男は「強い」という評価を保持しつつ、「関西のカリスマ」を名乗り、周囲の老若男女強弱問わずかなり広く認められつつ、「愛されて」もいる。

では、彼が何をしているか。

 

様々な好かれる要素はあるが、自分が彼から学んだことは

「キャラ」「かわいさ」「姿勢」

である。さて、順番に紐解いていこうと思う。

 

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「キャラ」

 

まず、彼は身長が高めで横にも大きい。顔も怖い。話し方も納豆のようにねちょねちょと粘り気が強く口調も怖い。舐められるのが嫌いでありよく人に向かって「しばいたろかな」とか「ころ〇で」とか言っている。つまり、総評してどう見ても「輩ですぐキレる」男である。

だが、そんな彼には美点があり、「優しく友達思いで面白い」男だ。

つまり、「輩ですぐキレる」というマイナスイメージに対して「優しい」「友達思い」「面白い」という3点をプラスイメージとして付加することにより、彼は自身のイメージをプラス側に針を振れさせている。

これはギャップ戦略というもので、「普通で優しく友達思いで面白い」よりも「輩ですぐキレるが優しく友達思いで面白い」のほうが人間的魅力は高く見える。

 

もうお分かりいただけただろうか。つまりこのれっかの人物像は完全な後付けであり、彼の本来の人格は別にある。彼が戦略的に行っていることなのだが俺以外の周囲は完全に気づいていない。それほどまでにこの戦略の価値は高く、紐解いて取り入れる価値があると自分は判断した。

 

 

優しいについて。

まず、これについてはあまり詳しく解説する余地もないが、優しさは必須ファクターである。優しさというものは見せ方によって受け手の印象は大きく変わる特徴があり、ギャップが非常に強く映える性質を持っている。彼はまず「見た目、印象値が怖い」という所でマイナスイメージを抱えた上で、主催人狼会などでは誰に対しても挨拶を欠かさない。女性や後輩などにも基本的に優しいし分け隔てなく接する。

この優しさの演出が上手いことは大事で、優しさとは厳しさとの対比によって特に映えるものだ。普段厳しい上司がたまに見せる優しさにときめいたり、ヤクザが犬を救っていると良い人に見えるのはこのためである。

故に、時折彼が気の許せる後輩に(たまに初対面の後輩にも)非常に厳しい態度で当たるのは全てこのためであり、ベース「輩ですぐキレる」を維持しつつ、基本的に周囲に優しく接することで自身の優しいイメージを際立たせて演出している。

 

実際優しいかどうかなど些細なことで、それよりどう見られるかが重要なことを彼はよく知っている。非常に狡猾で計算高い男だと再認識させられた。

 

友達思いについて。

彼は実際友達から好かれる要素を多く持っている。仲良くしているフリをしているだけの遠方に住んでいる自分にも、遊ばない期間が一定空いたと判断したら欠かさず連絡をしてくる。社会人というのは基本的には多忙であり、環境、その時はまっていることによって友人関係というのは広く維持することには限界がある。

つまり、重要なのはマメさだ。

彼は自身が認めた相手に対しては、関係値を維持するための努力を欠かさず、食事に誘ったり遊びに誘ったり、コミュニティを維持するためにゲームのグループなどを作ってそこで広い関係値が途切れないようにしたり定期的にスペース建てたりと、とにかく自身の周囲の環境構築と維持に余念がない。

これは間違いなくプラスイメージである。彼にとって日々の楽しさを担保することができるし、本人的にもメリットが大きいので負担なくできることだ。

これが重要で、一旦関係を構築したら粘っこく薄くでも糸を引いて離れないための努力をするべきなのだ。納豆の糸のように薄くでも糸さえ引いていれば関係は維持していられる。連絡の一本をたまに入れるだけでも良い。受け手側は思った以上に嬉しいし、周囲からも友達を大事にする人物だというプラスイメージが付く。これが何より重要なことだ。

 

面白いについて。

れっかの面白さについては言うまでもないので割愛する。ぷり♪ぷり♪

面白いことの重要性は今更言うまでもない。

面白さ、これは難しい要素であり一朝一夕に身に付くものではない。

自分は関東の人狼民の中では比較的面白い部類に入ると自負はしているが、自己評価では相対的にちょっと面白い程度に留まると思っている。そんな自分でも、先天的な才能や後天的な経験以外にも努力して面白さをある程度演出することは可能だ。

そんな自分がやっていることについて少しだけ共有しておく。

 

まず、「面白いと思った話」を必ずメモしておくことだ。これは先輩から聞いた話でも地元の友人から聞いた話でもなんでも構わないのだが、とにかくメモして忘れないようにしておくこと。

「なんか面白い話して!」と友人に振られた時に、メモなど不要でぱっぱっと出てくるのは面白い人間と言えるだろう。だが、これはデータベースの蓄積が可能なことなのだ。別界隈の人から聞いた話を自分の経験のようにアレンジして人に伝えるのも自由だし、それを行うことで面白い話をすることに慣れていくことができる。まずは人から聞いた話でも構わないので、見出しの部分だけでもメモして話す練習をしておくこと。

話す時には「脳内で映像をイメージ」することがコツだ。経験則話す時に文字をイメージすると失敗しやすい。恐らく脳機能が関わっていると思うが詳しいことは分からない。

あと、れっかはしないが飲み会に積極的に参加することだ。どういう受け応えがうけるのかが観察していてわかりやすいし、スキルアップにつながる。

 

 

 

 

さて、ここまで紐解いた上で彼のキャラ演出を総評すると、「輩ですぐキレるが、優しく友達思いで面白い男」だ。

自分の適性を考えた時、見た目が怖い部分は同じだ。噂話が好きという短所も存在していた。そこで、このマイナスイメージをどこでプラスに転じさせてギャップを演出するかを考えた時、自分の戦略の答えは

「輩で口が軽いが、優しくかわいい一面がありちょっと面白い男」

だ。これをうまく演出できているかは分からないが、周囲からの評価で出来ていると信じている。だが、少し怖くなってきたのでこの記事を書き終わった後、友人たちに聞いてみることにする。

 

ギャップ戦略がキャラ付けの主な戦略ということを話した所で、ギャップ戦略についてもう一つ付け足す話がある。これは自分オリジナルだ。

今回の記事のコンセプトは、対面人狼界隈で生き残る方法である。

生き残る、つまり人狼会に呼んでもらうために手っ取り早い方法が何かを自分で考えた時に、自分の出した答えは主催に媚びを売りまくることだった。

しかし、ただ媚びを売るだけではマイナスイメージに転じてしまう。マイナスイメージからのプラスイメージという基本のギャップ戦略に忠実に行くのであれば、何かしらの要素で媚びを売っていることをプラスイメージに転じさせる必要があった。

そこで、自分は”媚びを売っている”ことを本人や周囲に明かし、包み隠さずにありとあらゆる方法で媚びを売っていくことにした。

これによって「媚びを売っている」こと自体を自身のキャラ付けにしてしまい、「正直な人」というプラスイメージをつけて打ち消すことに成功した。呼んでくださいと直接お願いできるというキャラ付けは非常に有利に働く。人狼ゲームは複数人でやるゲームであり、自分一人だと成立しない。会に呼んでもらえることが何より重要なのだ。

俺も少しは彼のように狡猾になれただろうか。

 

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「かわいさ」

 

これは非常に重要な要素だ。

かっこいい、綺麗、強い、賢いなど、

様々なプラスイメージは存在するが、この「かわいさ」に関しては無敵と言わざるを得ない。

 

まず、かっこいいの対義語はかっこ悪いである。強いの対義語は弱いである。綺麗の対義語は汚いである。賢いの対義語は愚かである。

かっこいいけどかっこ悪い、綺麗だけど汚い、賢いけど愚かなど、基本的に対義語は同時に成立しない。これは当たり前だ。

 

では、「かわいい」の対義語はなにか、日本語としての問題であれば、正解は「憎たらしい」なのだが、現代日本の価値観では既に成立していないように思える。「憎たらしいけどかわいい」 ですら成立するのだ。

一度かわいいという評価を得てしまえば、対義語によって幻滅されることもなくずっと評価基軸は「〇○してるけどかわいい」「〇○だけどかわいい」など自身の短所を打ち消し続けてくれる。自分はこのかわいいという要素がどうしても欲しかった。

 

好かれる人間はかわいい部分を皆持っている。れっかという人間が主にどこでかわいさを演出しているかというと、自分が観察した限り一番かわいいのは体型だった。

どう見てもトドゼルガと言わんばかりの丸々と太った彼の体型は、オーバーサイズの服ですら隠しきれておらず非常にかわいい。性格がどうであれ、この丸々と太った彼の体型で何をしていようが基本的な周囲からの評価は「かわいい」がベースとなる。自分も彼を見た時、第一印象は「怖いけどかわいい」だった。

彼は時折ダイエットを企画するが、絶対に成功しない。この絶対に成功させないことこそが何より重要であり、食欲を我慢できないという精神的弱さも含めてかわいいし、キャラ付けという形で好感度も高く保っている。

 

自分はそこに着目し、太っている人間はかわいいのだということを学んだ。結果、去年1年で大量に食事をとった結果、自分も彼のように丸々と太った体型を手に入れることができた。

が、

 

ちょっと太りすぎた。

 

まるでベトベターである。血圧が非常に高くなり、今では40歳越えの老人しゃなさんよりも血圧が高い。健康を害してしまうというおまけがついてきた。何事もやりすぎは良くないのだということを学んだが、気づいた所で既に遅かったし食欲は加速していく。もう誰にも止められないのだろう。健康診断も怖くて行けない。

代償は俺の命だった。

 

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「姿勢」

 

まず人狼ゲームというのは不確定要素が多く、自分一人の力で勝敗が決定するタイプのゲームではないし、配役によって陣営の有利不利が大きくブレたりする。その上で10人を超える人数が集まり、議論をして処刑者を決めていく。

つまり、ゲームの性質上非常に感想戦が荒れやすく、人間関係にも亀裂が入りやすい性質を持っている。

 

そこでれっかが最重要視しているように思えることは、強い弱い以前に「このプレイヤーと遊んで楽しかったかどうか」だ。

彼は主催人狼会などで、どんなプレイヤーに対しても挨拶を欠かさない。仲良い悪い関係なく、相手を褒めることを常に意識している。ツイッターで同村者を不快にさせるようなネガティブなワードなどは絶対に出さないし、基本的に人を褒めるツイート内容が非常に多い。出すとしても自身に対する反省に留めることでストイックさを演出している。

 

つまり、何が重要かというと低姿勢、謙虚さである。

基本的に自信を持つことは良いことだし、自信によって男は大きく見えるものだ。

だが彼は自信を持つ中でも、彼は自身の会に来てくれる人、自身と遊んでくれる人、同村者への感謝の姿勢を絶対に忘れないのだ。

非常に重要なことだと自分も思えたので自分もなるべく人に感謝を伝えるようにはしているが、周囲から八方美人だと思われることが怖いし元来嘘をつくのが得意なタイプではないためなかなか彼のようにはいかない。

ある種とても凄いことだと思うし、彼の分け隔てなさ、謙虚な姿勢は尊敬に値する美点だ。

 

自分がこのことから学べる部分として、「変にプライドを持たない」ということを自分は徹底している。自身を成長させてくれる人には感謝を忘れず、実力差関係なく学びを得たらありがとう、謝るべき時には謝るを自分は徹底している。

感想戦で白熱することもあるが他責をなるべく考えないようにする、最終的には自分に何ができたのかのみを考えて話すようにすること。ツイッターに愚痴を書かないなど学び実践している部分は多い。

 

主催にとって会に呼んでよかったなと思える人間でありたいし同村者にとってまた同村したいと思えるプレイヤーでありたい。このマインドは今後も持ち続けていきたいと思う。

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結論として、

今回は盤外戦術編だが、ある意味盤内戦術より重要だ。どれだけ人狼ゲームの才能があろうが、成長させてくれる会に呼ばれなければ無価値だ。どれだけ人狼ゲームの実力があろうが、同村者がいなければ虚無だ。どれだけ人狼ゲームが楽しかろうが、同村者が楽しくなければ長期的にはマイナスだ。

人狼ゲームはたくさんの人間と時間を共有するゲームだからこそ、できるだけお互い楽しい時間を過ごせる努力をするべきである。

 

そして・・・今まで呼んでくれた主催陣に感謝をしつつ、さらなる成長のため主催できるような人間関係が構築できたら主催をすべきだとれっかは教えてくれた。これは今年から挑戦していくつもりだ。

 

れっかから学べたことは、自身が彼と似たタイプだったからこそ大きいと感じるのかもしれない。姿勢の項は短くまとめたが、彼の一番凄い所はこの姿勢にあると自分は考えている。このように自分を成長させてくれる人間と今後も関わっていきたいと思う。

 

 

とはいえ友人のフリをしているのもなかなか疲れるものだ。

 

 

おわり