「バレてから殺す」という人狼のスキル

村陣営寄りの記事が続いたので今回は人狼陣営の強スキル「バレてから殺す」について。

 

全体的に自分のブログが村陣営の記事に寄っているのは、基本的に自分が村陣営得意なPLだからであるが、だからこそ自分は人狼陣営が得意なPLに注目して学びを得ようとしていることが多く、根本的な差異を考えていることが多い。

 

自分の友人にユキダルマという人狼PLがいる。まずこの男は自分の思う最強の人狼PLであり、ちょっとファン目線が入ることをお許し願いたい。彼は人狼陣営勝率が傍から見ていても異常に高く(村も高いけど)、LW逃げ切り、騙り、FWなんでもできる。

恵まれていることに自分は彼と同村機会が多いため、観戦時に結構注目して見ていることが多い。そんな自分から見た彼の特筆して高いスキルが、この「バレてから殺す」というスキルなように思える。

故に今回は彼にフォーカスを当て、どういう行動をとっているかからこの「バレてから殺す」というスキルについて紐解いていく。

ちなみに自分はユキダルマではないので、「あくまでも自分が見ているユキダルマ像」に思考含めトレースしてみて、何をしているように見えるかを考察、解説する記事だということに留意されたし。

 

 

まず、「バレる」ということがどういうことか。

少なくとも村陣営の一人以上に、「こいつは人狼だな」と思われることだ。

 

そんな時彼がどうするかというと、まずバレた時に一切気にしているように思えない。その人物の中での人狼位置にいることを受け入れる。

ここで重要な考え方であるが、バレて「お前は人狼だろ!」と追及の手が入った時の彼のとっている選択肢は大別して4つある。

 

1、釈明する。

2、戦う。

3、放置する。

4、逃げる(別位置を吊り押す)

 

彼がとっている選択肢は主に2、3、次点で4である。

 

 

先に「釈明する」についての話をしておく。

 

Q.「お前が人狼だろ!」A.「違います。なぜなら~」

まず、バレた時の択で1の釈明に入るPLで人狼得意なPLはあまり自分は見たことがない。これは心理的な話になるのだが、釈明から入るというのは根本は村陣営得意な人物の思考なのではないかと思う。これは「人狼だろ!」と言われた時に、「違います!」という思考が先行した上での行動だからだ。

村陣営得意なPLは合っている、間違っているに拘る傾向が強い。故に思考回路を出させた上で、思考を修正させようとする。それが、村陣営得意なPLにとって最も心理的に楽な行動だからだ。自分がそうする、されることが最も自然なコミュニケーションの形であるからだ。だがしかし、周囲から見て「弁明をしている人」であることに変わりなく、この行動をとった時点で不利は確定するのだ。

ユキダルマはもちろんそうだが、人狼得意なPLはあまり釈明をしない。するにしても釈明から234いずれかの選択肢に移行するまでの時間が非常に速い。

これはとにかくだが見ていて「自分のことを疑っている人物も村全体で見ると容疑者(人狼候補)の一人」であるという認識が強いように思える。先天的に備わっていた性格か後天的に身に付けたものかは本人にしか分からないが、とにかくこの思考をベースに行動を決めている傾向が強い。

結果として次点選択肢「戦う」「放置する」の二択を選ぶことが多くなる。

 

「戦う」を選択する場合

 

Q.「お前が人狼だろ!」A.「いえいえ、あなたが人狼です」

自分を疑ってきた人物も村全体から見れば人狼候補の一人だ。現段階での村全体での対象との相対的な立ち位置、票数、殴りに対する反論材料が揃っており、殴り勝てると判断した場合にこの選択肢をとっている。

これで勝てた時のリターンは非常に大きい。この殴り合いに勝つという結果になった以上は村陣営に村を殺させるということに成功しており、「バレた」上でも村陣営に「罪」を押し付けた上で縄余裕を一本奪うことに成功しているのだ。霊機能が残っている場合は判定白が出た場合でも、この罪を村人に対しても押し付け、更に足掻くこともできるし更に道連れを増やすことも容易だ。霊機能が残っていない場合はその人物を人狼と断定した上で、更に別位置に対して一方的に有利な殴り合いを仕掛けることも可能だ。

殴り合いに勝った上での「俺とあいつであいつのほうが黒かったから村の総意であいつを吊ったって前提があるよね?」この台詞は自身の立ち位置をより強固なものにする。

日が浅い段階で「人狼」が「村」に殴り勝つ展開となった時点で相方の位置取りが極端にミスってたりしない場合、人狼有利な展開は確定している。後半ならそのまま人狼勝利でゲームセットだ。

故にこの「戦う」のリターンは凄いと言える。

 

リスク面の話をすると、殴り合いに負けた場合はリターンがそのままリスクとなって跳ね返ってくる。殴り合いの対象の位置のHPは爆上がりし容易に吊れなくなり、人狼が負けた場合それは村にとって自然な形でもあるため、自身が人狼前提で議論が進みやすくなってしまい、相方の大体の位置が露呈するという事態にもなりやすい。LWで負けた場合はそのままゲーム終了だ。このため人狼が「戦う」を選択した場合、そのまま陣営負けに直結しないために相方の足跡を残さないことが非常に重要となるし相方の立ち回りのスキルが必要となる。そもそも負けないために別選択をとることも重要だ。

「勝てるかどうか」「負けた場合に残る勝ち筋はあるか」など含め、戦うという選択肢が最良か否かの選択をすることが大事ということだろう。

 

「放置する」を選択する場合。

 

Q.「お前が人狼だろ!」A.「べろべろば~w」

放置する。を言い換えると、相手にしない。ということだ。

その日の吊り先はどう考えても自分にならない状況だったり、殴り手の論が論として村に浸透しそうにもないが相手のHPが殴り殺せるほど低くもない時にこの択をとっていることが多い。

最小限の弁明だけして放置、完全シカト、もしくは煽って放置など方法は多彩だ。真面目な論でいうなら「そうなんですか~」というような対応に留め、自身のHP減少を最小限にし、対峙する必要がある時が来るまで放置するということだ。

前提として、自身や相方に吊りが向かなそうなタイミングであればこの放置という選択肢は意外と強く、村が勝手に吊られるなどのパターンも多い。相方が吊られそうならそこに対して履歴を作って自身のHPを底上げすることもできるし、自身の相対的な立ち位置が高ければ他の位置を吊り押して相方を救うことも可能だろう。

つまり、「村視点の人狼候補の一人」から殴られていても、別位置に吊りが向きそうだったり、殴りが痛くない時には放置して他者に働きかける方が有意義な時は多い。

後は自身を疑っているその位置を、来たるべき時に殴り殺すか襲撃で処理してしまうかは展開次第だ。これも相手が「村視点の人狼候補の一人」であるという意識が強い故に成り立つ手法である。

 

4、逃げる(別位置を吊り押す)

 

Q.「お前が人狼だろ!」A.「あなたが俺のことを疑っているのはわかるけど、〇〇は吊れるよね」

前提としてこの択をとっている時は、相手に殴り勝てない、相手が確白位置に近い場合の緊急避難的な側面が強い。そのような位置から疑われた場合は基本的に不利な状況からのスタートとなる。ここはユキダルマというPLにフォーカスを当てて解説するが、彼がこの時に主に使っている手法は「進行」「盤面」である。

目的はその日自分が吊り逃れることであり、あとは何人の村を持っていくかの勝負となる。

 

「進行を使う場合」

ユキダルマのような人狼が強いPLがよく使うのが進行理解度を逆手にとった論説だ。捻じ曲げをさも当たり前かのように錯覚させるプレイと言えるだろう。

これは解説するとケースが多くなりすぎてややこしくするため割愛するが、とにかく「進行上今日俺を吊るのはあり得ない」ような空気感を演出する。胆力もあるだろうが、ある程度自身が理解度で優位に立っていることを前提としての捻じ曲げを進行の名のもとに行うことで、「ユキダルマ人狼の可能性」を一定残しつつ、手順として他に吊りを向ける。

ユキダルマというPLは、村外から見ていると圧倒的に人外利な行動を多くとっている。というより、外から観戦しているとどこからどう見ても爪の先から骨の髄まで人狼なのだ。にも拘わらず、村内にいるPLはユキダルマ人狼の可能性を比較的濃く見つつもユキダルマの演出した「広い視点」での人狼位置に投票せざるを得なくなる。

これは解説も難しく、自分にもあまりできることではない。故に表面上の話に留める。これを実行するための論は各々鍛えるとして、彼のブログから最重要マインドだけ引用しておく。

「堂々と恐れずにやること」

 

「盤面」を使う場合

客観視した時に「自分かここ」人狼がほぼいるだろうという位置がいた場合、人狼が確実に吊れる進行というお題目でそこを道連れにする。自分は別記事で最終日を目指すゲームではないと述べたが、それでも最終日を目指すゲームというような認識は根強く残っている。それに、客観視点での人狼位置が二択というような状況なら、意外とこの進行を盾にした場合、暴れれば村を道連れにできる公算は高い。

「俺が縄に入ることは仕方ないとしても、俺視点の人狼はここだから先にここを吊ってほしい」というような論で、自身の生存が絶望的な状況となったとしても一人でも多くの道連れを狙う。圧倒的不利状況ではライン切りなのかどうなのかすら分からなくさせ、LWを絞り込ませないような動きをとる。

 

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さて、上記で述べたことはある程度「自分が相対する」ことを前提とした話だ。さらに人狼には強力な武器がある。

襲撃である。

死人に口なしとは良くいったもので、死んだ人物が何を言っていたかは環境にもよるが考慮される量には限界があり、多くは「多少は考慮される」程度に留まることが多い。

脅威噛みというのは相当重要なファクターであり、人狼にとって有利な票とならず処刑も難しい位置は襲撃するに限る。これはその人物が発言の裏で実際何を考えているか、だれを人狼と考えているかも予測して行う必要があり、人狼の戦術としてとても奥深い部分だ。襲撃は役目抜きと同レベルで、この脅威噛みというものも重要となる。後半になればなるほど村票一票の価値は重くなり、それを襲撃によってある程度操作できる人狼のスキルは非常に重要となる。もう少し深いことを言うと、「この人物を襲撃するとこの人物の思考が変わる」というような襲撃もある。これも脅威を変えるという意味での広義の脅威噛みと言えるだろう。

現在自分はこの脅威噛みを思考予測を含めて高いレベルで行えるようにすることを目標としている。理由はダサいが役目抜きがあまりできないからだ。白黒以外に誰が役職かを考えることは非常に苦手だ。が、思考を予測することは得意であるためこの方向性を現段階では伸ばすことにした。成長指針として何事も得意分野を伸ばす方が上手くいくものだ。

ただ実は、村得意なPLは役目抜きが得意なことは結構多い(エーテル、ゆえ、つるひな、まったん等)特に自分にタイプが似ているエーテルあたりに今度やり方聞いてみて、記事にできそうならします。

 

この襲撃がユキダルマはめちゃくちゃ上手いし、しゃな、ナッシュ、他にも多数いるが人狼が得意で上手なプレイヤーはほぼほぼ襲撃に対する意識が非常に高い。襲撃のスキルはある程度襲撃が固定化されているア式よりは連ガ有の環境のほうが身に付きやすい。これも一種の「バレてから殺す」と言えるだろう。

一応例外も上げようと思うのだが、がんまというplがいる。彼は狼勝率も高く非常に狼得意なPLと言えると思うのだが、役目抜きできないしお世辞にも襲撃が上手い方とは言えないと思う。ただ思考予測や脅威噛みの部分はかなりできるし、人狼としての昼時間の議論、票取りに非常に優れている性質を持っている。このことから彼は結果的に狼が上手くなっただけで、生まれもった性質は村得意側だったんじゃないかというのが自分の見ていて思ったこと。

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結論を述べる。

「堂々と恐れずに」「自分のことを疑っている人物も村全体で見ると容疑者(人狼候補)の一人であり」「弁明をなるべくせず」「戦うか放置するか逃げるか選ぶ」「どうしても無理なら襲撃でカバー」

殴り合いに強くこのマインドを強く持っている人物は自分の思う人狼得意なPL像に当てはまる。

自分の過去1年様々なPLを見てきた中で、これが高い次元で行えていると感じたPLは、ユキダルマ、しゃな、ナッシュの3人だった。

前提として、これを真似することはかなり難しく感じる。これに近しいことを「余裕で出来るわ俺」ってPLは恐らく生まれ持った性質が人狼得意だと言えるだろう。

村得意なPLとの差異がどこなのかを考える中で、自分がやっていて彼がやらないことを考えた時に、見えてきた中で一番大きいのは「釈明」だった。自分は自分の心理的に簡単な釈明という行動に走りがちだし、それを少しづつ修正することが人狼勝率を底上げしていくことに必要なことだと思えた。

 

少し小咄をするが、闇金ウシジマくんという漫画で好きな台詞が一つある。

「賢者は馬鹿からも学ぶ。その逆はない。」

これは非常に好きな言葉で重要なマインドだと思う、自分にとっての指針のような言葉なのだが、前提としてユキダルマが馬鹿と言いたいわけではなく(ある意味馬鹿だけど)この言葉の本質は他にある。

要は自分が賢いと思うのであれば、下手なプライドを持たず自分より上位下位関係なく他者から取り入れることが出来るものを全て取り入れることが大切ということだ。

人間というのは得手不得手もあるし、自分にない長所を持っている人間というのは数多くいる。ある側面では尊敬に値しないレベルの人物であったとしても、人生を変えるほどの学びをその人物から得られることもあるのだ。

 

 

今思い出したのだが、一つだけ最重要なマインドを忘れていたので最後にそのマインドを書いてこの記事を〆ることとする。

村中いかさまに絡まれたユキダルマが彼に向けて放った一言である。

 

 

 

「べろべろば~w」

 

 

おわり