生存戦略

1.はじめに

 

今回は生存の重要性といかにして生存するかというお話。

ツイッターで見かけるもので、

「俺はあっていたのに吊られた!村が悪い」「俺を吊りにきたの全部人外票だった」「俺だけがLW補足してた」

などで自己陶酔してる内容のものが散見されるが、人狼ゲームの本質を大きく外した内容であると言わざるを得ない。

まず第一前提に、当てるゲームではない。当てているのであれば吊ること。そして、いつだって最悪なことは自身が吊られることだ。

人狼ゲームで人が死ぬのは能力行使による死亡(狼襲撃、狐溶け、村役による道連れ等)を除くと処刑のみである。処刑縄というものはどの村でも決まっており、例としてア式という配役でいうと縄が増えない限り

 

村陣営は6縄の中で人狼に3縄かける(猶予2)

人狼陣営は村陣営に合計3縄をかける

 

ことが勝利のためには必要となる。

つまり、どちらの陣営を引いたとしても、勝利するために考えるべきことはいかにして縄を対抗陣営に使うか、また、自身に縄をかけられないか。(目的)そのために推理や議論や進行やパッション(手段)が必要なら使う。これだけである。

ここで上記ツイートを見てどうだろうか。手段であるはずの推理や議論に焦点を当てて、肝心の目的には触れてすらいない。処刑というのは推理や議論で左右できる要素であるにも関わらず、前提部分の推理の良悪で満足度を決めてしまっている。勝てるものも勝てないし、到底上達するマインドとは言えないだろう。

 

このゲームは縄余裕を奪い合うという性質上、どの陣営を引いたとしても基本処刑されてはいけないゲームである。厳密に言うと処刑されても良いシチュエーションは僅かに存在するものの、自身の上達のためには大部分で必要となる処刑されないためのスキルを磨くほうがより健全である

 

2.例題として出す柱嫌いって話

上記は柱がなぜ忌嫌われるかという話と近しい。これは縄余裕を目に見える形で無駄にする行為であるからで、「柱!!」と声を高らかに言うことが積極的柱であれば、「俺吊りのむわ~」は消極的柱であり、どちらも縄余裕1を無駄にしている。村狼どちらにしろ陣営利からは大きく遠ざかる行為である。

内容いくつかピックアップする。

 

「議論が荒れるから柱」

たまに見るが、議論が荒れることの何が良くないのか。荒れている議論には原因人物がいるはずで、そこに自身が含まれていたとして自身に焦点を当てているのが誰なのか。荒れている中で得をしそうな位置はどこか。荒れていて自身がグレスケ下位ならなおさら今の段階で他に吊りを向けられる位置はいないか。アピールできる要素は本当にないのか。

最大限自身の生存と敵対陣営の処刑を模索するべきであり、議論が荒れることを恐れてはいけない。議論ゲームではなく縄余裕を奪い合うゲームであるからで、こんな理由で吊りをのんだ時点で負け。陣営として見た場合の戦犯である。

 

「盤面整理、客観視点の整地のために柱」

論外。これを言うということはある程度大局的な視点を持って、展開も吊り余裕も読んだ上で言っているということが予測されるが、では狼で同じ行動をとるかどうか考えた時に絶対にしない(やってたらマジのお荷物)。つまりこれは自身というPLの質を下げる行為に他ならず、他の道を模索すべきなのは言うまでもない。

あくまでも盤面整理や整地の吊りは、自視点確定白が分かっている自身の命を使うのではなく、PLは他者吊り前提でやるべき。最終的には進行役が決めることである。

 

「この人吊るくらいなら柱」

自分にはその人の狼補足してる狂人にしか見えない。どういう思考回路なのかは正直自分には分からないのだが、自視点で一番白くて吊りたくないのは常時自分である。前提としてそれをやったからといって対象者が白くならない。犬死だと自分は思ってしまうがいかがなものか。

→このケースに近しい例外として、レギュにもよるが非常に強力な役職(レンガありの占い、騎士等)の自視点真が吊られそうになっている時、この時自身の命と真役の命は等価ではないため、議論時間的に他に吊り回す余裕がない場合などは緊急避難的な手段としての柱は有効な場合がある。

 

どれだけ不利になったとして、

村なら村陣営のために

狼なら狼陣営のため。

最後まで戦う意思を持つべきである

 

3.本題

 

柱やめろの話が終わった所で、生存戦略の話をしていくが、吊りを自身に向けないための戦略は基本的に人それぞれ最適解が異なるため、自分の話をベースにしようと思う。

 

前提として、初日HPは自分は相当高い方であるという自覚がある。これは試行錯誤の結果であり、先天的なものではない。見る人間によって得るものが多少なりともあれば良いと思う。

 

自分が人狼ゲームを始めた時、初日HPが高いPLとは到底言えなかった。当時、周囲から吊り押された理由として多いものは主に下記3つだった。

「重い!怪しい!」

「感覚の論しかしゃべらないなら経費!論がおかしいから人外!」

「(白黒の)理由忘れたとかありえない!!」

 

自分は一つ一つ対策を考えて実行することによって克服できた。一つ一つ紐解いてみる。

 

「重い!怪しい!」

自分はターン制出身のPLであり、どちらかというと後発でまとめて発言するスタイルをそのまま踏襲し使っていた。結果、重い、怪しいという評価をもらい内容以上に吊り押されることは多かった。

関西のしゃなさんという強豪PLに呑みの席で、そのことでよく吊り押されることを相談してみたところ、

「お前みたいな見た目からしてクソ怪しいドブネズミのカスみたいなやつは、初動軽くせなあかんで~」「具体的には先手とらなあかん。怪しまれてから殴り返すんじゃ遅い。こいつ俺のこと殴ろうとしてるな~って気配察知して、そいつには先に自分からしかけてみ?周囲からの見え方は全く違うで」

と言われた。今でもよく覚えている。その後トイレに行って鏡を見た所、色眼鏡に真っ黒な服装、死んだ魚のような目。確かに怪しい。こんな人間に後発型が可能なわけがないとも悟った。

その後、議論介入を序盤から積極的にするスタイルに変更し、感覚など使える要素を全て使ってとにかく話すことにした。目線で自分を怪しんでいるかなという位置にはとにかく敏感に初手でうんこを投げることを意識し実行した。最初は塩梅が分からず議論時間の無駄遣いも多かったが、やっていくうちに慣れていき無駄な発言を減らした上で議論介入が可能となった。結果として重いや怪しいという評価をもらうことはなくなった。それに、この初動の軽さは意外なほど見え方に響くようで、初日殴ってくる人間すら殆どいない状態にまで昇華された。

後発型やっていいのは、マジで影が薄い人(気づかれない)、かわいい女(吊られづらい)、既に周囲からの評価がある人間(せこい)だけである。

よく初日吊り押されるという人は、とにかく後発型を諦めて議論介入を積極的にしてみることをおすすめする。最初上手くいかなくても、数こなすうちにうまくいくようになる。自分はそうだった。しゃなさんにまじで感謝してるわ。

 

「感覚の論しかしゃべらないなら経費!論がおかしいから人外!」

タイミング忘れたが夏のとある日だっただろうか。当時ユ式っていう連ガありのレギュの会に良く呼んでもらえるようになっており、そのメンバーにいっちゃんというPLがいるのだが、ハウスでの議論中自分がとあるPLの白要素をしゃべろうとしたところ、

「あーその白理由はいらないな!ほかの話したい!」と言われた。

当時の自分は試合中激昂してなんでや!!!必要やろ!!!と暴れまわったが、その後の飲み会で、「なんでいらんかったん?」と聞いた所、

「村視点で周知されていることよりは新しい情報に理由がほしいんだよね」

と言われた。思えばこの頃から議論リソースというものについて真剣に向き合い始めたように思う。夜自分なりにクソ考えた。

今ではいっちゃんが正しかったと断言できる。村視点で周知されつつある既出の白位置の白理由などは一切必要ではなく、白いというスケール提示のみで良い。

村全体視点で求めていることはそれ以外の白黒など新しい情報であり、それを周知させるべき時には理由を話す。これに時間を投じるべきである.

 

ここで強調したのは、周知させるべき時というのは思っているよりも少なく、理由を話すということは村全体視点に周知させる必要のある状況ということだ。

ここで必要になるのは論理性と説得力なのだが、感覚起因の要素が強かったとしよう。この場合、実は理由を話さない方がマシだったりする。穴のある理論で理由を言った場合、話さないよりもマズい状況に立たされたりする。「言ってることが変だから人外」派閥は多数いるのだ。

 

これがこの項で言いたい主な内容で、理由を話すことが正しいとは限らないということだ。内容を考えてみて、自視点が強すぎる要素、他者が理解できるか分からない要素であれば自分だけが理解していれば良く、結果論の「この人白いと思う~」だけスケール発表として村には伝えれば良い。

理由を聞かれた時の対応は、「感覚!」と言い切ってしまっても良いし「言ってもどうせ理解できないと思うから言わないわ~」「長くなるし議論時間の無駄だから話さないわ~ とにかく俺は白だと思うよ」など強気に出るのも得策である。

もちろん理由の論理性説得力が高いものを構築できたらベラベラ喋れば良い。それで評価も上がるなら御の字なのだから。

とにかく、コツは恐れずに堂々と言うこと。自分は去年後半で意外なほど理由を開示しないことによるデメリットは少ないということを実感している。

いっちゃんにマジで感謝してるわ。

 

「(白黒の)理由忘れたとかありえない!!」

 

いや、忘れるもんは忘れるんよな~これって俺の記憶領域の問題で、

自分の出自はターン制人狼PLで、やっていた当時はトップレベルのPLと持て囃されたこともあった。どういう手法を用いていたかというと、メモ人狼である。とにかく発言全てを自身のタイピング速度を活かして全部メモし、それをもとに思考するというスタイルだった。幼少期からずっとPCに触れていたこともあり、タイピングは既に体の一部で全く脳のリソースとられることなく手が勝手に動くレベルで出来るので、自分一人だけログ精査が可能なようなものだった。一定の成績を出せるのは当然の結果だったと言えるだろう。

自分のことは自分で一番良く理解しているが、自分は既にある見えている情報を処理するのは得意だ。というか、脳の回転速度的には自分でも悪くないものを持っていると思っている。その場での理論構築や全体の盤面構築は相当自信があり、十分トップ層とも戦えるスペックはあると自己評価している。

問題は、この思考部分のCPUが良かったとしても記憶領域にあたるメモリはゴミカスなのだ。文字通りゴミカスで、何も手に持っていなかった場合初日の議論の内容の3分の1も覚えていない。

これは対面人狼を始めた上で自分にとっては致命的な問題だった。皆他者の発言も精査内容も事細かに覚えているように見えて、俺って才能ないのかなとちょっと病んだ時期もあった。

実際なかったのだろう。やっていても記憶領域の問題は一切解決しなかった。

 

そこでどうしたかというと、メモ人狼である。

いやお前結局メモするんかいって言われるかもしれないが、その通りで結局メモをしないと自分の記憶領域の問題はどうしても解決しなかった。

 

メモ人狼の大きな問題点は、文字を打つ時に思考リソースが大小なりともとられることである。女子高生ならそうでもないかもしれないが、自分はタイピングに思考リソースをとられなくても携帯の文字打ちにはとられてしまう。

そこで、メモ内容を限定的かつ打ちやすい内容にすることにした

 

上から順番に、霊等白役、占いと結果、白位置、難色位置、黒位置

 

例として

 

まさや

 

まさし まさお

 

まさと まさみ

 

まさき まさい まさと

 

まさ

 

まさいち

 

 

みたいな感じだ。この例だと、まさやが霊、まさし→まさおに白、まさと→まさみに白、まさき、まさい、まさとが白位置、まさが難色位置、まさいちが黒位置といった感じだ。こんな感じで議論中にとれた要素で白位置黒位置をつけたしたりしていく

 

問題は思考推移が見えていないと混乱するので、その人物の評価が上がったタイミング、下がったタイミングなどで記号をつけていく。

↑=評価上昇

↓=評価下降

☆=キーポイントとなる発言

★=キーポイントとなる発言(黒要素)

▼=相当な黒要素、疑惑

×=その位置から消す

 

名前と記号のみに絞ることで、自分は思考リソースがとられない範囲でかなり自身の貧弱な記憶領域をカバーすることに成功した。意外と思考更新したタイミングに記号をつけておくだけでも、この記号をつけるという行為に紐づくからなのか理由まで覚えていることが多い。人間の脳の構造上の理由なのか、詳しいことは分からないがとにかくこれで自分の弱点を克服できたため、記憶領域に自信がない人はとにかくやってみることをおすすめする。

文章をメモするのだけはおすすめしない。相当思考リソースがとられてしまい、発言の細部をもらすことが増える。あと、投票先メモもあまりおすすめしない。必要な文字数が多い割に得られる情報量が少ないからだ。分からなかったら隣の人に聞けば良いし、それするくらいなら他にやることはある。

 

 

 

今回は生存戦略の話だったが、人狼ゲームの勝利条件は特殊配役などを除くと常に吊りを対抗陣営にかけることである。自身に吊りをかけられることは、常時自分の勝率を下げることに他ならない。極端な話生存さえできれば、ゲームの性質上自身の勝率は勝手に上がる。基本的なことだが、基本が何よりも大事で得てして見失いやすいものである。この命への執着、処刑の重要性を忘れないことを戒めとしたところでこの記事を〆ることとする。